2022.11.28
大問4題の構成で、試験時間は理科2科目で120分。したがって、化学にかける時間は平均して60分になります。解答はすべてマークシート方式です。
出題範囲は「化学基礎・化学」となっています。理論・無機・有機の各分野から出題され、全体的にバランスのとれた出題になっています。計算問題も例年出題されていますが、中には煩雑なものもあり、1問にかけられる時間が少ないと感じられるのではないでしょうか。
毎年、第1問は正誤問題になっています。「誤りを含まないもの」・「誤りを含むもの」の指示が与えられ、文章について正誤が問われます。指示に該当するものがない場合も選択肢にありますので、選択肢の文章を注意深く読んだうえで、完答したいところです。とりわけ難しいものはありませんが、用語等の正確な理解が必要であると思われます。
ところで、問題の正誤の判断がつきやすくなったのは、ここ2年ほどのことで、それ以前の正誤問題は、選択肢の文章が6~7行も続く長いものであったり、計算しないと解答に至らないとか、内容が込み入っているものが出題されていました。つまり、「時間のかかる厄介な正誤問題」であったということです。
この「第1問」のように出題の特徴が変化する場合があるので、過去問を練習するときは、現在の時点から前の年度に向かって行っていくことをお勧めします。この方が、その変化にどうしたらよいか対応しやすいからという理由からです。また、現時点から過去問演習をおこなっていくのであれば、適当な年度で自由に止めることができる点でも都合がよいでしょう。
また、東京医科大学の入試問題には、マークシート方式からの特徴も見うけられます。
22年には、ペプチドのアミノ酸配列を決定する問題が出題されました。ぺプチド結合を加水分解して、そのうえで呈色反応をおこない、配列を決定する典型的な問題です。内容的には、アミノ酸配列が解った時点で終わりになるはずです。
それが、解答がマークシート方式で要求されることになるために、加水分解で分けられた全部のペプチド、アミノ酸の分子量を計算して求めさせ、その関係をつかむ正誤問題になっています。11もの選択肢をひとつひとつチェックしなくてはならないために、結果的に時間をかけることになってしまいます。
以上のようなこともあるので、問題に手早く取り組み、ある程度余裕をもって処理していくようにしていきましょう。
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